約束の海

約束の海




これまで山崎豊子さんの本は8冊読んでいます。
【華麗なる一族】3巻、【沈まぬ太陽】5巻。
沈まぬ太陽を読んだのは2009年の9月のことでした(→ 
文庫本5巻の超大作を一気に読みきるほどの面白さでした。

【大地の子】・【二つの祖国】等々、読んでみたい本はまだまだあるのですが、どれも大作。
私には読む前からかなりの意気込みが必要なのです。
いつかは、いつかはという思いだけはあったのですが…
【約束の海】は全3部が予定されていたのですが、この第1部が未完の絶筆となってしまいました。

山崎豊子さんの作品を読むと、そのページ数以上の重みを感じます。
緻密な取材を重ねて書かれた作品。
そのために費やされた時間と努力。
圧倒的な迫力を感じながら山崎豊子の世界に浸りつつ、読まずにはいられなくなります。

主人公の花巻朔太郎は潜水艦「くにしお」の船努士で二等海尉。
その父花巻和成は日本人捕虜第一号酒巻和男がモデルとなっている。
物語は潜水艦「くにしお」と遊漁船「第一大和丸」の衝突事故から始まる。
(この衝突事故は「潜水艦なだしお遊漁船第一富士丸衝突事件」がモデルとなっている。)
この事故への責任のけじめから花巻朔太郎は自衛隊を去るべきではないかと思い悩む。
そんな彼に上官はハワイでの新鋭源水力潜水艦へ乗艦という派米訓練参加を命じる。

ここで第1部「潜水艦くにしお編」は終わっています。
巻末には第2部「ハワイ編」、第3部「千年の海(仮題)」のシノプシスがあるのですが…
第3部まで読みたかったという思いが一層強くなりました。

山崎さんの本を読むと、日本人でありながら、自分の国で起こっていることになんと無関心でいたのかと思い知らされます。
それは【沈まぬ太陽】を読んだ時にも感じたこと。
「潜水艦なだしお遊漁船第一富士丸衝突事件」が起きたのは昭和63年7月23日のこと。
当然知っているはずの事件なのに、私には「そう言えば…」という程度の記憶しかなかった。
さらに、日本人捕虜第一号酒巻和男氏のことは全く知らなかった…

「戦争は私の中から消えることのないテーマです。戦争の時代に生きた私の、゛書かなければならない”という使命感が私を突き動かすのです」と言われていた山崎豊子さん。
ものすごいエネルギーをその使命に注ぎ込んでこられたことを感じさせられました。
ちょっとのんびりしすぎな日々に゛喝”を入れられたような気持ちです。



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Commented by tabi-to-ryokou at 2015-03-23 11:47
こんにちは

プライベートな話になってしまい恐縮なのですが、「沈まぬ太陽」は、
私が新入社員の時から、独立起業するまで在籍した会社がモデルなので、
考えることが沢山あり、とても小さなコメント欄には書ききれません。

私が読むと1人(体制に従い出世していく人物)だけがフィクションですが、
あとは全てに実在モテルがいて知ってる方ばかりです。
そして主人公のモデルの方にもナイロビでお世話になったことがあります。

この本が出版されて、モデルとされた人の中には怒って作者に抗議した人もいたそうですが、
やんわりと「これはフィクションですから」と、相手にされなかったそうです(笑)

事故の場面は小説を読んだ時は泣くこともありませんでしたが、
映画館で見た時は、ちょっとウルウルしてしまいました。
語りだすと止まらなくなるので、今日はこのへんで(笑)
Commented by azu-azumy at 2015-03-23 23:02
**旅プラスさん**
こんばんは!
まぁ~、「沈まぬ太陽」のモデルになった会社にお勤めだったのですね!!
モデルになった方々をご存じで、主人公のモデルになった方にはナイロビでお世話になったとは…
このお話に、とても興奮しています^^

山崎豊子さんは緻密な取材のもと執筆されていますが、同時に「小説である」ということもとても大事にされていたのですよね!
実際に、「これはフィクションですから」と相手にされなかったというお話を旅プラスさんからお聞きして、ちょっと得した気分です♪

映画は素敵なのですね!?
渡辺謙さん主演でしたよね。
これは観なくては!!

素敵なコメントありがとうございました♪
Commented by miyabiflower at 2015-03-24 13:22
こんにちは
「沈まぬ太陽」はDVDを観ました。
渡辺謙さん、適役だと思いました。
密度の濃い映画になっていましたが
本を読みたくなりました。
山崎豊子さんの小説は、中身がずしりと重いですね。
読むのにある意味覚悟がいります。
「約束の海」も読んでみようと思います。
Commented by azu-azumy at 2015-03-24 18:43
**miyabiflowerさん**
こんにちは♪
「沈まぬ太陽」の映画、やっぱり良いのですね!
これは何としても観なければ~^^

山崎豊子さんの本、本当に濃いですよね。
その分、どっぷり山崎豊子ワールドに浸れることができます。
おかげで家事がおろそかになってしまったりして…(笑)。
あっ、それは私だけですね(^_^;)
by azu-azumy | 2015-03-23 11:03 | 読書 | Trackback | Comments(4)

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