2016年 03月 19日 ( 1 )

人魚の眠る家

夫婦そろって読書が趣味というわが家には本があふれています。
特に夫の本。
彼は絶対に本は手放しません。
私と違って、何度も読み返しているので、良しとしなければなりませんが。

私はできるだけたくさんの本を読みたい!
でも、バンコクでは本に関税がかかって、その値段は約1.5倍。

そんなわけで、日本人会の図書室も利用しています。
2週間毎に2~3冊借りています。

で、先日のこと。
新刊コーナーを見てみたら~




a0114521_10294338.jpg



東野圭吾さんの新刊が並んでる~!!
2015年11月発刊だから、まだほやほやですよ~!!
こんなことがあるなんて~!

「あ====!東野圭吾~~~~!!」って、思わず声に出してしまったので
図書のボランティアさんが笑ってらっしゃいました(笑)

すぐさま手に取り、ページをめくってみると




a0114521_10300235.jpg





購入日が3月11日!!
まだ、購入されたばかりで、私が最初に借りる人!
長年、図書室に通っていますが、こんなこと初めて~!!

時々、一番乗りで借りられることはありますが、人気作家さんの本や、話題の本は無理です!
だって、みなさん読みたいですからね。
書棚に並ぶとすぐに借りる人が現れるのは当然です。
この日は私の前にも図書室を利用された方がいらっしゃるのに、この本がまだ書棚に残っていたのです!
ほんとに、ほんとに、ほんとに、ラッキーです!
実際、東野圭吾さんの前作【ラプラスの魔女】や、又吉さんの【火花】なんて、影も形も見たことないですから(笑)



*************************************************

ここからは本を読んでの感想です。
普段は、できる限り"ネタバレ"に気を付けているつもりですが、今回は”ネタバレ”を含みます。
なので、これから読む予定の方、内容を知りたくない方はスルーしてくださいね。



質問。
ドナーカード(臓器提供意思表示カード)を持っていますか?
答え。
いいえ。持っていません。

私がこのドナーカードの存在を再認識するときといえば、小説を読むとき、ドラマや映画の見るとき…
臓器移植のための渡米資金を集めているニュース映像など…
それぐらいかもしれない。
そんな時には、自分なりに考えたりするのだが、そこで止まってしまう…

【人魚の眠る家】はまさにこの脳死と臓器提供をテーマとしているのだが
個人的には、より深くこの問題に切り込んでいると思う。

瑞穂は水の事故で病院に搬送される。
医師から「回復することはない」と断言された父・和昌と母・薫子。
さらに医師からはドナーカードの所持確認とオプション提示をされる。
すなわち、親として臓器提供の意思確認である。


これからの治療は延命措置、と医師から断言され、両親が下した決断は「臓器提供」だった。
ところが、臓器提供を決断し、別れのために瑞穂の手を握っていたときのこと。
弟・生人が瑞穂に声をかけたとき、その手がかすかに動いたのだ。
このことが、両親の決断に重くのしかかる。
医師からは反射だと説明されても、実際に握っていた手が動いたのだから…
結局、和昌と薫子は臓器提供を拒否する。


その後の展開は、ちょっと現実離れしているというか、現在では無理なことばかりなのだが…
(研究は進められているのかもしれない。いや、きっと進んでいるのだろうけれど。)

臓器提供を拒否し、独自の方法で瑞穂の介護を続ける和昌と薫子。
その一方、心臓移植以外に治療法がない雪乃の存在を知った薫子。
その心は千々に乱れ…
長い介護の末、最後の時は訪れ、薫子は臓器提供を決断するのだが…

人口100万人当たりのドナーカード所持者。
第1位はスペインの25人で、欧米各国は15~25人、お隣の韓国では5人。
そして、日本は世界最低レベルの0.8人。

アメリカでは、ドナーカードの制度は無く、家族へのオプション提示だけで臓器提供が行われているそう。
【人魚の眠る家】の中にも書かれていたが、アメリカでは「脳死は人の死」の概念や制度が確立しるので、脳死状態と判明した時点で治療は終了する。
その時に臓器提供の意思を確認することになる。
しかし日本では、回復が見込めない状況であっても、臓器提供をしない限り治療は続けられる。
脳死判定を受けない限り、”脳死”とも認められない。

この本を読んで改めて思う。
日本の臓器提供は、最終的にその決断の重さはすべて家族にかかっている。
オプション提示として ”選択権はあなた方にあるのです。拒否も自由です”
そう言われればいわれるほど、悩み、苦しむ。

この本では両親は最終的に臓器提供を決断する。
そこには長い時間の経過が存在する。
しかし、現実の場面ではこの”時間”がない。
家族の危篤という極限の状況の中でしなければならない決断。

読み終えた今も考えさせられている…



[PR]
by azu-azumy | 2016-03-19 11:14 | 読書 | Trackback(1) | Comments(3)

“微笑みの国”での暮らしと大好きな“カービング”や“読書”のことを         


by azumy
プロフィールを見る
画像一覧