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たゆたえども沈まず

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この本を紀伊国屋さんで購入したのは3月3日でした。
ソンクラン休暇にゆっくり読もうと、ずっと我慢していました(笑)
我慢のかいあって…
とてもゆたかな読書タイムを過ごしました

原田マハさんは大好きな作家さんですが、まだ未読の物も多く、この本でやっと17冊目です。

『たゆたえども沈ます』
本当に良い本でした。

これまでもたくさんの素敵な本に出合ってきました。
じわじわと感動が押し寄せてくる本。
思わず涙する本。
などなど。

この本は…
圧倒的な強さで迫ってくる、気迫を感じる本でした。
そして、ラストでは胸がつまって、思わず感涙。
心が激しくが震えるような感じ…

私は美術というものにとてつもなく疎い。
絵心も全くなく、美術にも興味がありませんでした…
そんな私の世界を少し開いてくれたのが原田マハさんの【楽園のカンヴァス】でした。
やっとこさ、入口にたったばかりの私に原田マハさんは、『たゆたえども沈まず』で、”もう少しこちらへ”といざなってくれたのです。

この本では、ゴッホと弟テオ。
ゴッホの才能を認めていた林忠正、加納重吉との交流が描かれています。

フィンセント・ファン・ゴッホの名前は知っていますし、有名な作品をいくつかは知っていました。
でも、その程度の知識でした。
弟テオの存在など全く知りませんでした。

生前のゴッホはその才能を認められることなく、37歳でこの世を去っています。
そして、ひたむきに兄ゴッホを支えた弟テオは兄の後を追うように33歳で亡くなっています。
ゴッホとテオは、二人でひとり。
お互いに必要としあい、離れられないのに、お互いの存在に苦しむ。
そんな二人の関係に胸がしめつけられました。

林忠正は19世紀末、パリに拠点を置き、日本美術の普及に尽力した人物。
ゴッホと交流があったかどうかは定かではないようですが…

原田マハさん自身
「今回は、ミステリーやホラーといったジャンルの要素を極力排してみました。直球勝負の物語が読者に届くと本望です」
「誰もが知るゴッホの悲しい生涯を思うとき、この作品をいまの私たちが美術館に足を運びさえすれば見ることができるのは、本当に奇跡としか言えません。そのことに勇気づけられて、この作品を書くことができました」
と、インタビューに答えています。

少し前にテレビで桂南光さんが『たゆたえども沈ます』を紹介されていました。
ちょうど京都国立博物館でゴッホ展が開催されているときでした。
展示作品も紹介され、日本に居たら行きたかった…

原田マハさんの言葉にもあるように、私たちは”見ることができる”。
いつか機会があれば足を運びたい。
そして、”見ることができる”幸運に浸りたい…
今、強く願っています。

この本の中で胸に刻まれた言葉たち。
パリに拒絶されていると感じるゴッホに忠正が言った言葉。

セーヌに受け入れられないのなら、セーヌに浮かぶ舟になればいい。
嵐になぶられ、高波が荒れ狂っても、やがて風雨が過ぎ去れば、いつもの通りおだやかで、光まぶしい川面に戻る。
だから、あなたは舟になって、嵐を過ぎるのを待てばいい、たゆたえども、決して沈まずに。
そして、いつか私をはっとさせる一枚を書き上げてください。
そのときを、この街で待っています。


悩むテオに重吉が言った言葉。

考え込んでも、どうにもならないことだってあるさ。どんなに嵐がやって来ても、やがて通り過ぎる。それが自然の摂理と言うものだ。
嵐が吹き荒れているときに、どうしたらいいのか。ーーー小舟になればいい。
強い風に身を任せて揺れていればいいのさ。そうすれば、決して沈まない。…だろう?


タイトルの「たゆたえども沈まず」は、パリ市の紋章に刻まれている言葉

Fluctuat nec mergitur

ラテン語で どんなに強い風が吹いていても、揺れているだけで沈みはしない という意味。
日本語の「たゆたう」は
物がゆらゆら動いて定まらない。ただよう。
心が動揺する。ためらう。
たゆたう…
美しい言葉ですね。



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原田マハさんが大好きな私のために、友達がプレゼントしてくれました。
『ジヴェルニーの食卓』
もう5年前になります。
サイン会に足を運んで、私宛へのサインをもらって来てくれました。
もううれしくて、うれしくて!
私の宝物です。



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Commented by 01914383i53678 at 2018-04-21 12:47
わたしも、今年に入ってから読みました!
心に残る、素敵な本ですね。
わたしにとって、忘れられない一冊です。

原田マハさんの本を読むと、登場する絵に会いたくなりますね。
Commented by azu-azumy at 2018-04-21 15:01
*ちいさん
こんにちは♪

私も登場する絵に会いたくなります。
本を読みながら、スマホで絵を検索していました。
恥ずかしながら…
知らなかった絵もたくさんありました(^^;)
日本とのつながりの深さにも感動して…
本当に素敵な本ですよね!
Commented by k.hassy at 2018-05-03 19:41 x
原田マハの小説、azumyさんの紹介から私も好きになりました。
「たゆたえども沈まず」読んでみますね。
先日、「一分間だけ」を読みました。前半おもしろくなくて、なかなか読み進まなかったのだけれど、最後の50頁くらいで感動の嵐!鼻水と涙でティッシュ一杯消費しました。
「でーれーガール」は、原田マハの女子高生時代のものらしい。岡山弁とローカルな地域が懐かしかったです。
by azu-azumy | 2018-04-21 10:41 | 読書 | Trackback | Comments(3)

“微笑みの国”での暮らしと大好きな“カービング”や“読書”のことを         


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