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きなりの雲

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ずっと読みたいと思っていた本。

きなりの雲

2012年芥川賞候補になった作品。
正直に言うと、芥川賞候補になる作品はちょっと合わないことが多いのですが…

この本はブクログのお友達のレビューを読んで以来、探していた本。
アマゾンや楽天BOOKSにもなく。
実家近くの図書館にも所蔵されておらず。
これはもう本帰国してから探そうと思っていたら、昨年、文庫化されていたのです!
気づかなかった…(反省!)
そして、ようやく一時帰国の時に購入してきました。

石田千さんの本は「バスに乗って」以来、2冊目。
(ちなみに「バスに乗って」は☆5つをつけました)
やっぱり良いです。
やわらかな文体。
じわじわと沁みこんでくるような文章。

主人公のさみ子さんは、築47年のアパートに住み、編み物の講師などをして生計を立てている。
40歳の時に失恋をして、引きこもってしまう。
身も心もよれよれになってしまったさみこ子さん。
ゆっくり、ゆっくり、けれどもしっかりと時間を編むように回復していく。

「人の手は、貸すより、借りる方が勇気がいる」

だけど、ちょっぴりその勇気出すことで、前に進めることもあるのですよね。
周りの人は、見守りながら、手を貸す時を待ってくれているのですよね…

「実らずとも、花は咲くんだから」

実を結ばなくても良いのよね。
頑張っている姿。
それだけで素敵なんだから。


編み物…
本を読みながら、亡くなった祖母のことを思い出していました。
祖母は編み物がとても上手でした。
機械編み、かぎ針、棒針等々。

祖母が編み物を始めたのは、私が生まれたとき。
初孫だった私に着せる物を編むために、編み物教室に通い始めたそうです。
もともと、和裁をする祖母は手先が器用でした。

祖母が通っていた編み物教室の先生は、私の同級生(小学校で同じクラスだった男の子)のお母様でした。
自宅で午前、午後、夜の教室を開かれていました。

私も就職後、この教室に通うようになりました。
それまでは、祖母に教えてもらっていたのですが、ついつい甘えがでますからね(笑)
当時は手編みのマフラーやセーターが流行っていましたので、生徒さんもたくさん。
祖母は午前のクラス、私は夜のクラスでしたが、たまに私がお休みの時には一緒に通うこともありました。

「きなりの雲」のさみ子さんの教室に、小学生のちさちゃんが通ってきていました。
そう言えば…
祖母も「午後のクラスに小学生の女の子が一人居るのよ」と言っていました。
とても熱心で、教室でももくもくと編んでいると。
「あの子はきっと上手になるわ」と、感心していたものです。

この本の中には、”毛糸の見本帳”のことも出てきます。
さみ子さんの生徒さんは見本帳から糸を選びます。
私が通っていた教室でも、次に編むものを決めると、見本帳から選んで、先生に注文していました。
祖母は家族のものを編むときは、先生から見本帳をお借りして来て、家族に糸を選ばせてくれました。

私は結婚後しばらくして、編み物教室をやめました。
実家が引っ越しをした後も祖母は、転居先で編み物教室をみつけ、亡くなる少し前まで、教室に通っていました。
祖母に編んでもらったものは、日本の自宅にしまってあります。
常夏の国で暮らしていますので、ずっとそでを通していません。
日本に帰ったら祖母が編んでくれたセーターを着よう。
あの暖かさを懐かしく思い出しています。




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Commented by 01914383i53678 at 2018-06-13 17:21
本を読んで、懐かしい想いが蘇ることって、わたしもあります。
そういう本は、やさしい言葉で綴られていることが多いです。
石田千さん、お名前は知っていても、まだ読んだことのない作家さんなので、わたしも読んでみたくなりました。
読んだら、わたしも何か思い出すかもしれませんね。
Commented by azu-azumy at 2018-06-14 11:44
*ちいさん
おはようございます♪

本の世界に入り込むことはもちろん楽しいのですが
そこから色々なことを思い出したり、空想したり。
そんな時間が大好きです。
そうですね。
そんなふうに心を解き放ってくれる本は、優しい言葉で綴られていますね。
私も石田千さんはまだ2冊しかよんだことがありませんが、2冊ともとても好みの本なので、他の本も読んでみたいと思っています。
by azu-azumy | 2018-06-13 16:51 | 読書 | Trackback | Comments(2)

“微笑みの国”での暮らしと大好きな“カービング”や“読書”のことを         


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